映画鑑賞してきた

映画「NO ノー」を見た

冒頭、印象的な場面がある。
国民投票が決まった後、レネはNO派のホセ(ルイス・ニェッコ)からCMの製作を依頼される。
映画の雰囲気からは、当時のチリも反体制派に対しての共感は少なかったようで、このまま国民投票を行っても負けるのは確実といった状況だったようだ。
そのような中、レネはNO派の連中に「勝てると思っているのか」と尋ねると、返ってきた言葉は「啓発だ」「やることに意味がある」といった自己満足的なもの。負け犬根性が染み付いているこの姿勢は日本でもよく見られ、先日読んだ香山リカの本にも、選挙で負けても「よく頑張ったね」で済ますことが多いと書いてあった。
しかしレネはそんな連中の態度には飽き足らず、「絶対に勝つ」と心に硬く決める。それまで、どちらかというと政治的には無関心だった彼がそう思ったのには、上司のルチョ(アルフレド・カストロ)に対する意地もあったのかもしれない。(その後ルチョはYES派のCM製作を引き受けることになる)
しかしどちらかというとピノチェトに不信感を持っていたレネは、プロのCMディレクターとしてこの戦いに本気になって臨んでいく。
レネの視線になっての映画だから、CMの効用が強調される嫌いがあるが、勿論チリの民主化の原因となったのはそれだけではなかったはずだ。その点を加味して描いてくれれば、もうちょっと印象の違った作品になっていたと思う。
それと、ピノチェトのイメージは凶悪な独裁者というものだったが(実際、数多くの虐殺を行っているが)、反体制派への嫌がらせが思ったより大人しい感じがした。死の恐怖を与えるだけの描写だったが、実際はどうだったんだろう?


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